田の字配置と言って、家の真ん中に柱が立ってその柱に四方から梁が取りついているような間取りで大黒柱が出てきます。
大黒柱イメージ |
建具溝がついて、襖で部屋を分けたりします。 |
太くていかにもがっしりした木が使われています。ところがよく考えると柱の中はこんな事になっています。
断面欠損モデル |
ほぞとほぞ穴を仕口といいますが、伝統的な仕口は非常に複雑にできています。金物や釘がなかった時代は、複雑な形状の仕口で、梁と柱をがっちり止めてました。
残った断面の端っこのほうがどれだけ耐力に参入できるかわからないのですが、このモデルの中心部だけを見れば断面積はもとのサイズの30%しかありません。
つまり、それを補う為に大黒柱はもとのサイズを太くしなくてはいけないのです。
決して強いから、ではなく、齧られた「すね」が細くならないように太い木を使っているだけなのです。
耐力としてはそれほどの太さは必要ではなかったりします。
現代の家でも、通し柱には2方向や場合によって3方向から梁が取り付くことがあります。
105mm角の柱などでそういう通し柱をつくった場合、大工さんがそこを持って持ち上げたらポッキリ折れちゃった、なんて話はよく聞きます。
梁の位置を段差にしてますが、いつポッキリいってもおかしくない柱 |
古民家などの伝統建築構法では、ここ以外にも柱にいろいろ穴をあけます。貫といって板材を貫通させたり、建具廻りなども柱を削っておさめます。
ですので、伝統建築構法で家を建てる場合には、通常より太い柱を使うことが絶対的に必要です。
昔はそういう材木もありましたが、今ではそんな材木は規格外になり高くつきます。
今の日本の山に植えられてるスギやヒノキは、60~70年くらいの樹齢です。
通常の家には充分ですが、そんなに太い木はとれません。
太い木が欲しければ、植林する以前からの木を使うことになりあまり自然保護的ではありませんね。
金物仕口 |
昔はこういう金属加工はできませんでしたが現代の技術なら問題ありません。
これを使えば、断面欠損はほとんどありません。
非常に強固な仕口になり、メッキをされた厚い金属板が木材の中に入るので錆などの問題はほとんどありません。
今の日本の山の木は、伐採して使う時期になっています。それをしないと山が荒れてしまいます。
これを使えば、現代の太さの山の木を使いつつ、伝統構法のような建築も可能になります。
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