2013年6月27日木曜日

スウェーデン・デンマークの建築

株式会社シップ  (http://www.shipinc.co.jp) というリフォーム会社向けにコンサルタント
をする会社がありまして、ここの担当者(http://goo.gl/eg3XX 右端)の方がメールマガジン
を配信してます。

今回はスウェーデン・デンマークのパッシブデザイン建築や社会としての取り組みの
レポートでとても面白かったのでご紹介します。

建築は体感するとほんとに考えが変わるものですが、レポートを読むだけでもその一端が
味わえます。北欧の「デザイン」はとても優れていますね。



▼ビジョン:2025年に持続可能な社会を実現する
  http://c.bme.jp/9/873/988/39266

 ▼エコと経済は両立する
  http://c.bme.jp/9/873/989/39266

 ▼持続可能性が選択の根拠になる
  http://c.bme.jp/9/873/990/39266

 ▼ストックホルムでの住宅視察
  http://c.bme.jp/9/873/991/39266

 ▼スウェーデン・ゴットランドでのパッシブ建築見学
  http://c.bme.jp/9/873/992/39266

 ▼資源だからリサイクルという考え方
  http://c.bme.jp/9/873/993/39266

 ▼北欧の素敵なデザイン
  http://c.bme.jp/9/873/994/39266

2013年6月25日火曜日

無くて七癖、無くて七トラブル

トラブルっていうほどのもんでもないのですが、天井下地組をやっている状況です。


ここには写ってませんが、この左側の部屋もこうやって梁を出した勾配天井になるのですが、大工さんが普通に平天井の下地を作ってました。

まあ、ちょっとした連絡ミスです。現場監督さんとは打ち合わせをして指示してあったのですが、現場監督は大抵複数の現場を持っているので職人さんとの意思疎通がすれ違うことがままあります。
その為に複数の目で現場を見る事は重要です。

今回は、なんとなく気になってフラッと現場に行ったのですが早めに見つけて良かったです。
現場は無くて七癖ならぬ「無くて七トラブル」っていうのが普通です。

現場には大勢の職人が出入りします。 誰が悪いってことはないんですが、それぞれの職人さんにそれぞれの思い込みがありますし、自分のパートはしっかりやっていても全体を見る事は個々の職人さんには難しいです。

全体をまとめるのは現場監督の管理という仕事であり、全体と部分の関連性のチェックしたり図面に載せきれない詳細の相談をするのは設計事務所の監理という仕事です。

建築の現場には大勢の人間が関わります。ミスや思い違いっていうのもしょうがない部分もあります。(人間ですから)

そうした部分を早めにみつける運営やチェック体制が大事になります。
なんとなく気になるっていうのは、現場に気を配っている時に時折あります。設計にしろ現場監督にしろ職人さんにしろ、その現場に思い入れがあるとそういう事がおきます。思いを入れられる現場にする事が大事です。

また、なんとなくっていう以外に、システマティックに段階のチェック日程を設ける事も大事です。

早めに見つければ、修正するのはそれほど大事ではないです。今回も大工さんには無用の手間をかけてしまって申し訳なかったのですが、まあ下地組段階で良かったです。
これが、次の工事段階まで入ってしまっていると修正するのは大事になります。

そうならない段階でのチェックや事前の確認は重要です。
事前確認の例をあげると、例えば電気の配線をする前には、施主さんと現場監督と設計と電気屋さんで位置の確認をします。

そうすると、ここに家具を置くつもりだった、とかここにコンセントを増やしたいとか、この位置は若干動かしたい、などの要望や配置ミスがわかります。

今の家は電気などの設備が非常に増えていて重要な要素になっています。
壁まで仕上がってからの電気のやり直しは大変です。そういう事態を避けることができます。

家は工場からベルトコンベアの上にのって出てくる大量生産品ではなく、現場で手作業で作る一品生産の特注品です。大勢の人の手間の固まりみたいなものですから、その調整が重要ですね。




2013年6月17日月曜日

松の丸太梁


スケルトン・リフォームの現場です、松の丸太梁が出て来ました。


松は杉やヒノキと違って真っ直ぐではないので柱には使いません。
その代わり、強度があるので梁に使います。
たいこ梁は両サイドを落として、ある程度扱いやすくしたものを上曲りに使います。
上曲りのものを使うので垂れません。距離が長い梁では、昔はよく使いました。

ちなみに、30~40年前の家からは鉄骨の梁もよく出てきます。
最近は集成材の梁があるので使いませんが。
(鉄骨梁はこれがなかなかやっかいなのですが/笑)

松の梁でもたいこ梁はよく出てきますが、丸太そのままは珍しいです。

近年では、こうしたたいこ梁やましてや丸太梁はほとんど使われません。
プレカットという機械加工にのらないのと、経験のない大工さんには扱いづらい為です。
材木の流通にも出ていません。

現場監督さんに聞くと、和風の居酒屋や焼き鳥屋さんなどの店舗内装では
時折使われますが、古材屋さんから仕入れるそうです。(結構高いとのこと)

こうした梁が出てくると、やはり梁を現して使うのがいいですね。
多少汚れていても、軽く磨いて濃い目に塗装すると味のある家になります。

リフォームならではの醍醐味です。

2013年6月14日金曜日

生きる為に働くという現実に対処する方法

オーブ・アラップという有名な構造家の人がいます。関西空港などの多くのプロジェクトの構造を手がけています。

世界遺産との関連で面白い記事があったのでご紹介します。(リンクで見れる期間はわからないのですが、とりあえずこちらから

その中で、毎日食っていく為に働くという日常に対処する一つの方法を提示しています。

オーヴ・アラップの考える「仕事」

オーヴ・アラップは、「生きるために働く」という現実に対峙する時、「仕事それ自体を面白く、有意義なものにすべき」と考えていた。その方法は、「限りなき“質の追求”に邁進し、決して二流の結果に甘んじないこと」だ、と。この“質の追求”、すなわち“面白い仕事”が建築の一部に留まらず、全体へと波及するためには、「トータルデザイン」、言い換えれば他者との協力関係の中で適切な判断を下し、自身の勉強によって高みを目指すことが必要である、と言うのだ。

そして、鼓舞される彼の言葉――。「トータルデザインは現実には極めて難しいことですが、チャレンジしてみる価値は十分あります。最高の結果を得るために必要なものであり、また私たち自身もそこからもたらされる刺激を必要としているのです」

2013年6月13日木曜日

プロジェクションマッピング

去年のお話なんですが、HPの記事の引越しを兼ねて。
             
東京駅プロジェクションマッピング

これはなかなかに衝撃的です。もしかしたら、近い将来SFの世界のように建築のファサード(正面外観)は立体投影で構成されるかもしれないです。
特に商業建築は、最初からこれを組み込んだデザインになるかもしれないですね。

ツリーハウス・カフェ

うちの事務所の近所にツリーハウスのカフェがあります。
TVドラマのロケに使われたせいか人気があってなかなか入れないらしいです。

http://nanjya.jp/cafe/

高原別荘の依頼があったらこんな別棟を作ってみたいです。いま計画中なのは海辺なので、こういう木は育たなそう。でもなんか楽しい「おまけ」を考えています。

小淵沢から程近い八ヶ岳はとてもいい所でよく行きます。程々にリゾートであまり俗化されていない所が気持ち良いです。あそこならこんなツリーハウスも似合いそう。

パソコンをもっていって、木の上で日がな一日のんびり仕事できたら気持ちいいでしょうが、人気があって平日から行列できてるそうなのでそういう贅沢は無理そうです。

当事務所から近いので、うちにお寄りついでに足を延ばしてみてはいかがでしょう。と、さりげなく事務所もアピール(笑)。ご相談は無料です。

2013年6月12日水曜日

作品という言葉

「作品」という言葉に関して、ネガティブなイメージの意見があります。曰く、人の金でデザイン優先のマスターベーションのような家を建てて作品と呼ぶなんて何様?、という意見です。

まあ、そもそも建物の数だけ設計があるわけで、それを設計していいのは建築士なわけで、建築家がおかしな格好の家を自己満足で建ててる、っていうのは都市伝説にすぎないです。

マスコミが面白半分で取り上げて持ち上げて、その反面で落として嘆息してみせる都市伝説などほんの一部の話です。
大勢の建築士は縁の下で設計・監理を黙々とやっているのです。

ちなみに、デザインすると言うのは機能やスタイリングを「考える」という意味です。スタイリング優先というなら見た目重視という意味ですが、デザイン優先ということは「考える事」を優先しているわけで、まったく悪い事ではありません。
デザインをしないという事は「考えること」をしないという事です。


子供の頃のなぞなぞに、大阪城を建てたのは誰だ?、というのがありました。
豊臣秀吉と答えると、ハズレ、答えは大工さん、なんていうタワイモナイなぞなぞです。

でも、スポンサーは秀吉ですから秀吉が建てたと言ってもいいかもしれません。

もしくは、大阪城の構想は「難攻不落の要塞」であって外堀さえ埋められなければ実際その通りであったのですから、その構想を考えた城攻め名人「秀吉の作品」というのが妥当な答えかもしれません。

バルセロナにあるサグラダ・ファミリアはどうでしょう。あまりにも有名なガウディの作品です。
いまだ完成していないですし、様々な建築家と大勢の職人が彼の死後を引き継いでいまだ建築中です。

サグラダ・ファミリアは一見奇妙な形をしています。しかし、ガウディは紐と錘をつかった巨大な模型をつくって構造的にもっとも安定する形態としてあの形を構想したのです。
サグラダ・ファミリアを逆さにして天井に据え付けてみたと想像してください。天井から下がった錘のついた紐で構成された模型から発想された事がわかります。
あの形は奇抜さを狙ったものではなく、合理的な構造から構想されたものなのです。

http://goo.gl/1ach9 (画像検索結果)

彼を引き継いだ職人も建築家も、その構想を変えないで建築してきました。ですから、これは間違いなくガウディの構想による「作品」と言ってもいいでしょう。

しかしながら、サグラダ・ファミリアは数多くの芸術家による「作品」でも構成されています。彼らはサグラダ・ファミリアのその部分に関しては自分の作品であると言うでしょうし、それは妥当な話です。

また、サグラダ・ファミリアは建築当初からバルセロナ市民やカトリック教会が募る寄付で資金を賄ってきました。バルセロナ市民や教会から見れば胸を張って、これは我々の作品であると言う事もできると思います。

いや、歴史的な建築物や公共建築と個人住宅は一緒には論じられないよ、と言うのはわかります。
確かに心情的にはその通りですが合理的には違いはありません。


私は何人かの施主さんから、「あなたの作品」といえる家にして下さい、と言われた経験があります。その意味が決して、マスターペーションに使ってくれ、なんて意味じゃないのは当然です。

設計者にしても施工側の職人にしても毎日これをやっているわけで、毎日のルーティンワークのように家を建てることはできます。そして、そのほうが楽です。

しかし、本当にデザインして(考えて)、その構想を実現しようとして造ろうとすると、設計者も職人も非常にややこしい事をしなくてはならない事態が多々生じます。そりゃ面倒ですし、ルーティンワークでできる事ではありません。

なんでわざわざそんな事すんのかと言うと、ルーティンワークに喜びはないからです。また、デザイン(考える事)には、施主さんというもっとも近い隣人の喜ぶ顔も含まれているからです。人を喜ばせたり、感謝されたりって事は仕事での一番のエネルギーです。

だからこそ、設計者も職人も現場監督も、それぞれの立場と意味合いで「作品づくり」に関わっていると考えることが重要なのです。
そして施主さんも、一緒に考え・やりたい事を伝え、施工においては職人さんの仕事をおりに触れ見に来て感嘆し、何よりローンを抱え、それはやっぱり作品づくりに関わっているわけです。

ですから、建築家も職人も施主さんもそれぞれが「作品」に関わって、これは自分が創ったものだと胸を張れる事がいい家づくりになるんだと思います。





2013年6月10日月曜日

住宅再生リフォームの現場が始まりました

長く打ち合わせをしていた築50年(半世紀!)の家の再生リフォームが始まりました。さっそく解体が進んで今はスケルトン状態です。
梅雨に入ってしまって心配だったのですが、現在はから梅雨状態で、水不足は心配ですが現場にとっては幸運な感じです。



一見綺麗に見えても、水がかりの部分はやっぱり傷んでいます。シロアリがいないのは幸いでした。
木造住宅は水さえ漏っていなければ、どんなに年数経っていても(50年でもそれ以上でも)健全です。とこるが、継続的に雨漏りや水漏れがあるととたんに腐ってしまいます。
木造住宅にとって、防水がどんなに大事かはこうした現場ではっきりわかります。


夢をかなえるCMが面白い

キリンのCMなんですが、カンフースターになりたい!、という夢のCMがとてもおもしろいです。
                     

まずはこれを見て下さい。


で、実はこちらのメイキングのほうが本篇と言っていいと思います。応募した石田さんとその後輩の素直で熱い思いが伝わってきてなんか泣けるんです。一つのドキュメンタリー映画のようにすばらしいフィルムです。

http://youtu.be/3T3vt1-kwhg


こちらは全篇です。

2013年6月7日金曜日

ImpressPages

さて、メインのホームページ用に選んだImpressPagesのほうを解説します。

実はconcrete5のほうは以前から知っており、それで富士北山の木のサイトは構築してました。
ところが、バージョンアップした時に不具合があって、それはテンプレートのほうが対応していな為かもしれないのですが、そこでちょっと萎えてしまいました。

また、バックヤードのデザインが変わってそれを把握するのが面倒になってとりあえずここまで作って今は放置です。

ただ、自由度はconcrete5のほうが高いのでそのうちなんとかいじってみるつもりです。

ImpressPagesは、マウスでブロックを追加できるのが直感的で良いのですが、もっと良かったのは全体のサイト構成をエクスプローラーのようなツリー構成で先に構築できるところです。

ツリーの中身もマウスで移動可能で、10年来のウインドウズ使いとしては非常に馴染みやすいものでした。それが、一番気に入った点です。

インストールもこちらのサイトを見ながら簡単にできます。
http://impresspages-cms.info/

しかし、一つだけ問題がありました。(この手のちょっとした・・・ってのはCMSいじるのに避けがたいようで)
ある程度構築したサイトを独自ドメインに変更したところ、まったく表示されなくなりました。

いろいろ検索したところ、これはさくら(レンタルサーバー)独自の仕様の問題だそうで。
さくらは、安くて良いサーバーなんですがなんか独自仕様で引っかかる事が時々あります。

結局以下のようにすることで無事に動くようになりました。
ただ、私はシステムはまったく素人なんでこれが意味するものがわかりません。
同じようにした場合の不具合に関しては責任もてませんので、そこんとこはよろしくです。

ImpressPagesフォルダの中に .htaccess というファイルがあります。この中身の記述に


#php_value upload_max_filesize 1000M
#php_value post_max_size 1000M
#php_value memory_limit 100M

#
RewriteBase /
#


RewriteEngine on
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d
RewriteRule ^(.*)$ http://office-ew.com/index.php?%{QUERY_STRING} [L]
                  ↑
              ご自身の独自ドメイン


赤い部分を書き加えます。これで動きました。他には特に不具合はありません。
ImpressPagesオススメです。


追記

さくらのサーバーが更新されて容量アップ等がされたのですが、それに伴って仕様が変わりました。
上記の部分は無くて大丈夫です、というかあるとエラーになります ^^;







Berta

Bertaはちょっと毛色が変わったCMSです。

http://www.berta.me/
ここが配布しているサイトです。

日本語の公式サイトはありませんが、いくつか紹介しているサイトがあります。
http://www.moongift.jp/2012/02/20120218/
http://www.cmswave.com/archives/2020

Bertaの良いところはデータベースを使わないところです。
データベースと言ってもCMSをいじらない人にはピンとこないと思いますが、サーバーで提供している機能で、書き込みのデータを別の場所にまとめて保管するアプリケーションです。

普段は良いのですがサイトを移設したりバックアップを取るときには、素人にはハードルが高いです。個人の小規模なサイト構築には面倒なだけでメリットがあまりありません。
たぶん、大規模なサイトにも使ってほしいからそういう作りにするんでしょうが・・・

Bertaの一番の特徴は、フリーすぎるくらいデザインの自由度がフリーな点です。
通常のCMSは、レイアウトをある程度綺麗にまとめる為に上部とかサイドとか、レイアウト範囲を決めてあって、それをバックヤードで制御します。

Berta はそういったものがまったくないので、自由な場所にいろんなものをレイアウトできます。
これは平面デザイン感覚が優れている人には魅力ですが、 普通の人にはある意味ハードルです。

格好良いデザインにするにするには、そこそこデザイン力が要ります。
デザインより機能や伝えたい内容を重視する人には向きません。写真家とかポップアーティストとか、そういった方面の人には良いでしょうが。

ただ、テンプレートが増えてくれば、平面デザインが苦手な人も使えると思いますし、なにより簡単なのでこれから有望なCMSだと思います。

インストールはとても簡単です。紹介してるサイトのようにすれば大丈夫です。
ただ、ちょっと問題がありました。

バージョン-0.8.5aでインストールしたのですが、なんか妙な動きをします。
いろいろ調べたらphp5.1以上の場合には、php側でのタイムゾーン設定をしなくなってるそうで、php.iniに以下の追記が必要な場合があるそうです。

date.timezone = Asia/Tokyo

これで正常に動くようになりました。ほかのCMSではそういう事はなかったので、CMS側で処理してると思われます。いずれBertaもそうなるかもしれませんが、もし変だったら試してみてください。



次世代CMS

新しくホームページを作るにあたり、せっかくなのでCMSも変えようと思いました。
joomlaはいいCMSですが、ちょっとシステムがでかすぎて素人の手に負えない感じになってきたのと、もう少し素人に使い勝手の良いものが出てきたからです。

次世代としてよく名前が上がっているのがconcrete5ImpressPagesの二つでした。
もう一つBertaというのもあったのですが、これはちょっと毛色の変わったCMSでとりあえずインストールしてみましたがメインのものにはできなさそうで、使い道を考えている最中です。

これらのCMSの特徴は直感的な操作です。具体的には、記事を表示画面から直接いじることができて、尚且つマウスで位置をドラッグしたりできます。

CMSにはテンプレートといって、既存のデザインが豊富に配布されていてそれを使うとスタイリッシュなホームページが簡単に作れます。
ただ、そうは言っても記事をどのように配置するかは面倒な作業で、それを直接画面でいじれるのが新世代の特徴です。

画面の操作以外にもバックヤードの操作もあるので、そこも直感的でわかりやすいとさらに良いです。結局、メインのHPにはImpressPagesを選びました。

ただ、それぞれ面白いのでわかる範囲でちょっと解説してみたいと思います。

まじですか!

joomlaはとても良いCMSです。ですが、それでもいろいろシステムをいじらなければいけなかったり、フリーゆえに不具合は自己責任でという所でいろいろ頭を悩ます事が多かったです。

しばらく本業に忙殺されて(ありがたい事にjoomlaがクライアントと繋いでくれていたので)、ほっといたらいつまにか大幅なバージョンアップが2回もされていました。

さらに3回めのバージョンアップがあった時にかなり面倒な事態が発生しました。
つまりバージョンアップが非常に面倒くさく、専門性が要求されたのです。それで、とりあえず見ないふりをしてほっておく事にしました。

そこでえらい事態になりました。


ホームページを乗っ取られたのです。_| ̄|○


ある日、googleから見慣れない英文のメールが届きました。なんだかよくわからないのですが察するに「貴殿のウェブサイトは、google検索に載せるには相応しくない事になってます」的な内容でした。

慌てて確認すると、なんと、自分のホームページを表示すると怪しいサイトに飛ばされるように改変されていました。(当然エロサイトです ^^;)

どうやら、joomlaのバージョンが古かったので何やらのセキュリティホールとやらをつかれたらしいです。よく政府のウェブサイトがどこやらのハッカーに書き換えられてニュースになっていますが、他人事だと思っていたホームページの乗っ取りが自分に降りかかる事になりました。
たいしてアクセス数もない私のサイトになんて理不尽な!

もうこうなるといけません。サーバーの会社に連絡しても何もしてくれません。結局、すべてを消去するはめになりました。

私の仕事のツールでもあるホームページが無くなるのは大変な痛手です。幸いなことに、古いホームページ・ビルダーで作った部分は無事だったので、とりあえずそれを表示させて、新しいホームページを再構築する必要に迫られました。


ホームページビルダーからCMSに

私はウィンドウズ95時代からのPCユーザーです。仕事で独立してからは、ウィンドウズ98でCADを動かして図面を描いていました。

同時にまだネットが今ほど発達していなかった頃から、仕事のホームページを立ちあげていまして私のクライアントの8割くらいはネットからの依頼です。

ホームページは安価な広告ツールですが、何よりこちらの考えている事や仕事のスキル・知識、場合によっては人柄なども詳細に発信できるものだったのです。

当時は今のように猫も杓子もwebを操る時代ではなくて、企業も及び腰、有象無象の怪しい連中もネットにいなかったので、ある意味クライアントは選びやすかったと思います。

クライアントも当時にネットを徘徊する人たちは進歩的で、リスク管理や建築に関してよく勉強している方が多かったので、当時の私のような駆け出しの設計事務所にも気軽に足を運んでくれました。

ですので、私にとってホームページは非常に大切な事務所ツールでした。
昔から、ホームページは個人が深く関わっているものが面白いと思っていて、業者に頼んだものは一見綺麗でも面白くないというのが持論でした。

それで、ホームページはHTMLなどほとんどわからないまま、ホームページ・ビルダーで自分で作っていました。

その後、ブログやSNSなど個人が気軽に発信できるツールができて状況は一変しました。ネットに個人の発信が溢れるようになったのです。

ホームページもブログから派生したCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)というシステムで作ることが主流になっています。いまや、ホームページは作成ソフトでコツコツ作る時代ではなくなっています。

さすがに、ここまで発展すると本業ではないものにとっては敷居が高くなってしまいました。
ところが良くしたもので、システムが発展するとこういうシステムを素人でも扱えるフリー・システムとして公開してくれる所も増えました。

その頃には、CGIという個別の便利システムがネットのあちこちに転がっていて、それを私はよく使っていました。写真をアルバム化したり、掲示板を設置したり、フォームメールを設置できるようなシステムです。
内容はよくわからずとも、それを設置する知識はさほど難しくなかったのです。CMSはいわばそれを一つのシステムに統合したようなものです。

そこで、選んだのjoomlaという海外のCMSです。私が選んだ当時で、国産もあったのですがこれがもっとも使いやすいと評判が高かったCMSです。(今でもそうですが)
日本語化して公開しているサイトを見ながらホームページを構築しました。

設計に対する責任とは

責任には二つの意味があります。

それは遂行責任と結果責任です。

結果責任を完全にとれる人など神様以外には存在しない。事の大小にもよるけれど、時間を
戻せない限り、起こってしまった事をもとに戻すことはできません。

フォローをして最善から次善にできれば上出来だが、穴隠し程度になってしまう事も多い。
そうなれば最終的には金で解決というしかなくなります。

だから、設計事務所は建築士賠償責任保険に入っていて「設計と監理」に関する瑕疵
に備えるし、工務店は瑕疵保証保険に入り「工事」に関する瑕疵に備えます。

しかし重要なのは、そうならないように仕事をする遂行責任になります。

遂行責任に重要な事は責任の分担と明確化です。

無限責任は無責任です。対象を無限に遂行することは人間にはできません。
できない事は引き受けられない。それを引き受けたらそこには責任はありません。

工事に関することは工務店が引受け、現場監督が「管理」という仕事をして現場を
運営する。それに関する遂行責任は現場監督という個人が引き受けます。

設計に関する事は建築家が引受け、「設計」に関する仕事をし「監理」という仕事で
現場のチェックや質疑応答を行います。

それぞれの遂行すべき仕事を明確にし、それぞれの仕事に責任を持つ。
重要な事は、細かい部分部分の仕事はそれぞれの職人が責任を持つが、全体を
見ることができるのは、現場監督と建築家だけです。

だから良い家を造るのにもっとも必要なのは、良い現場監督と良い建築家なのです。
良い現場監督は現場の遂行責任をより良く果たし、良い建築家は設計と監理に
関する遂行責任をより良く果たします。

監理についてはここから

国土交通省から告示という形で、設計と監理がどのような仕事をすべきが示されています。
国土交通省告示15号 (3ページから)


建築家

建築家とナノルは気恥ずかしい。けど、建築設計と監理を主な業務としてメシを食っているのであればそれは建築家なのだろう。

小説で食ってれば小説家だし、陶芸で食ってれば陶芸家。
なんとか家っていうと有名人じゃなけりゃ気恥ずかしいという気持ちが先に立ちますが、言葉の意味的には職業専門家って事だから専門家の知識とスキルがあればいいんじゃないかな、と最近思います。

逆に、なんとか家ってナノル事により本人はその知識と技術をクライアントにきちんと示す事を
求められるから、自分の培ってきた経験や努力にプライドと自戒を持ちながら仕事に接するという意味でも必要な事なのかもしれないです。

建築士でもいいんですが、建築士というのは資格の名前だから、設計を実務にしてメシを食ってるかどうかは別問題になるんですが。
ちなみに設計士と呼ばれるのは、大概の設計事務所の人間は好まないものです。

なんでかっていうと、世の中に設計のない建物は存在しないはずだし、それを設計している
のはすべて建築士のはずです。

ところが日本の現実は大概の場合、「設計」という仕事が建築からすっぽり抜け落ちていて単に間取り程度のことをやる事が設計だと思われていて、実際には確認申請だけを建築士にやらせて(代願という言葉まである、代書屋的仕事)、いわゆる設計士なる架空の存在が設計をやってると思われている現場が多数あるからです。

今の日本の制度では、資格が実際の仕事を行うものを現さず、代書屋に書類を整えさせればなんとかなってしまう。そこに全体設計に対する責任者は存在ません。
だから設計士という言葉になんとなく反発を覚える設計事務所の人間は多いのだと思います。

とりあえず、「建築家」が介在する建築現場には設計に対する責任が確実に存在します。
責任とはなんぞやっていうのは次項で。