2013年9月19日木曜日

結露は換気すると逆効果!?

これは夏型の結露の話しです。

夏型の結露とは、コンクリートの建物の地下、半地下、倉庫、北側の壁などに夏におこる結露のことです。
夏に結露すると、あっというまにカビが生えて真っ白になったりします。

コンクリートは熱容量が大きい素材なのでいったん冷えたり温まったりするとなかなか周囲と同じ温度になりません。

土に接している壁は当然冷えますし、夜間に放射冷却や風があたって冷えた壁の北側は周囲より低い温度が続きます。

こんな所に、夏の暖かく湿った空気があたると条件によっては結露してしまいます。
これが夏型の結露です。

結露をすると換気!と思い込んでしまいますが、夏は暖かく湿った空気は外部にあります。
その空気を呼び込んでしまうとどんどん結露が酷くなってしまいます。

こういう場合は、なるべく夏の間は閉めきって除湿をするしかありません。

一番良い手段は、コンクリート用のウレタン吹付け断熱材を壁に施工することです。
壁に湿った温かい空気が触れない事で結露が抑えられます。

コンクリートの打ち放し面はお洒落でかっこいいのですが、場所を選ぶ必要があります。
また、外断熱でもない限り打ち放しだけのコンクリートは夏は暑くて冬は凍えます。
スタイリングと性能をどのようにデザインするかは重要です。

また、地下室は結露なのか地下水の侵入なのかわかりづらい時もあります。
地下を造るときは、防水と結露の両方に注意して設計する必要があります。

2013年9月18日水曜日

築50年の平屋のリノベーション、そろそろ竣工




ここの所進めてきたリノベーションがそろそろ竣工に近づいています。
小さい平屋なのと、施主さんが敷地のお隣にお住まいということもあり今回は特にオープンハウスの企画はありません。

もし、ご覧になりたい方は個別にご連絡ください。ここ1、2週間の間なら大丈夫です。
すみませんが、個別のご案内になりますので建築関係者の方以外に今回は限定させてください。
m(__)m

環境デザインアワード2013

環境デザインアワード2013に出した実作です。
2boxesを基本にしつつ、敷地形状にあわせて変形させたプランになっています。

三角のブロックの陸屋根部分には、SOLAMOが載っています。
陸屋根の上はメンテナンスの容易さと設置角度の自由度のメリットがあります。

張り出した陸屋根を軒として利用するため、太陽光線の調整はもちろん、ちょっとした雨でも吐き出し窓をあけて過ごすことができます。

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十日市場(Two boxes)

十日市場のプロジェクトで個々の家の実際的な設計を提案するものです。
二つのブロックを組み合わせたTwo boxes の提案です。

パッシブブロックとアクティブブロックの形状を変えたりずらして配置したりして、様々な形状の敷地に適応させています。

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十日市場のプロジェクト(全体計画)

横浜市が企画したプロジェクトです。
十日市場の駅のそばに横浜市がもっていた土地ですが、起伏のある野原と雑木林のような場所でした。

ここに脱温暖化を目指す街区を造るというプロジェクトです。

よくある、まっ平らに造成して道路を真ん中につくって左右に敷地を配置、といった無個性な家並ではありません。
敷地の形状やある程度の木はそのまま活かして、駐車場は数箇所にまとめ、うねる小道を介して各戸にアクセスするという環境的な街区を造るプロジェクトです。

そこに建つ家は脱温暖化を意識したパッシブデザインとアクティブ機器を備えた家になります。

ここをモデルにして、民間の開発もこのように行なってほしいという先導的プロジェクトです。
これはそのマスタープランとして、他の設計事務所と共同で提案したものです。

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LCCMをサポートする杜の家 / House for 100 trees

<富士北山の木>による天然乾燥無垢材をつかった構造材によるフレームを「杜の家」と名づけています。
パッシブデザインには、開放的な間取りや大きな窓が必要です。

環境や健康に良い国産の木でパッシブデザインを造るときに、それであっても強固なフレームであることは家の性能として必要です。
杜の家のフレームは、耐震等級3が簡単に作れるフレームです。

LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)デザインとは、炭酸ガスを減らし地球環境に寄与するデザインのことです。
パッシブデザインにさらに、環境要因もプラスした言葉です。

国産木を使うことは日本の山を整備することにつながります。
日本の山の4割が人工林です。人工林は人間が手を入れてやらなければ荒れてしまいます。
今、日本の山が荒れてきてしまい様々な問題がおきています。

House for 100 trees

日本の山の木は伐採期を迎えています。この木を産業として使って新たな木を植林することが必要になっています。

あらたな苗木は成長するときに多量の炭酸ガスを吸収します。(成長した木はそれほど吸収しません)
1軒あたり100本の柱を使うとし、100本の苗木を植えるとしたら、炭酸ガス吸収量はその家庭の排出するすべての二酸化炭素の25%を何十年にもわたって吸収してくれます。
木を伐採して植林をするという林業はとても環境に大事なのです。

さらに強固なフレームで永く家を使うことは炭酸ガスの固定化に役立つのです。
「杜の家」はそれをサポートするフレームです。


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SOLAMOパッシブデザインコンテスト

パッシブデザインの基本モデルとして二つのブロックを組み合わせた汎用プランを考えました。
それがこのSOLAMOのパッシブデザインコンテストのコンセプトです。(技術賞)

SOLAMOとは東京ガスが販売している太陽熱温水器を使った給湯システムです。
ノーリツのOEMですが、温水パネルと切り離したタンクが地上にあってバックアップの給湯器がついているシステムです。温水暖房にも対応します。

湯切れの心配がなくお湯が使えて、ガス代は半分くらいに抑えられます。
(東京ガスとしては、あまり売れても嬉しくないらしいですが)
太陽熱温水器は太陽光発電より効率が良いので省エネにはコストパフォーマンスが良いです。

電気の使用量が減る太陽光発電とともにこうしたアクティブ・ソーラー機器は電力会社もガス会社も無視できない潮流だと思います。

ソーラー利用の本質は大規模発電にあるのではなく、省エネにより電気やガスの需要を減らすことにあります。

それには、高断熱によるパッシブデザインとの組み合わせが重要になります。
このモデルは、パッシブなブロックとアクティブなブロックを組み合わせた構成になっています。
後にこの構成を Two boxes と題してまとめました。


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2boxesの原型